こんばんは、木ノ下コノキ(@konokikinoshita)です。
今回は、同じ病室のおばあちゃんがあまりに強烈過ぎたので、その話をいくつかしたいと思います。
それでは早速お付き合いくださいませ。
第1話 病人を使う
おばあちゃんは自分で立つことも起き上がることも寝返りを打つことも出来ません。
入院初日、トイレに行こうとカーテンを開けたコノキに急に「あおいちゃん、ちょっと助けて!」と声が聞こえる。え?あおい?と思ったがこっちを見て確実に私に言っている。
「どうしたんですか?」とおばあちゃんのところに杖を付いて若干ふらつきながら向かう。
「あそこにある磁石のあれ!取って!!」と言うので、視線の先を見ると、棚の少し高いところにペタッと磁石の付いた紐がぶら下がっていた。
「これですか?」と聞くと、「そう!それ!それがないとこれが外せないの!」とお腹から骨盤辺りまで長いコルセットのようなものがはめられている。
え?これ外すの?と思ったが苦しいと言うので、一つ穴をずらすのかな?と磁石を渡した。
すると今度は、「もうね、こんなの付けたくないのに看護師さんが付けるの。いじめるの私を」「だから、もう外すの。だからこっち引っ張って!!」と私にそのコルセットのようなものを取るように指示する。
しかし、取ったらダメなような気がして、「これは取ってはダメなんじゃないですか?」と言っても耳が聴こえないようで、「早く取って!」とせかす。
そうこうしてる時に看護師さんが来たので、私はそそくさとトイレに向かった。
トイレを済ませ、自分のベッドに戻ろうとするとおばあちゃんが看護師さんに「え?これどうやって外したの!?ダメだよ!」と注意されてた。
やっぱり外しちゃダメなやつじゃん...と反省し、その後も「あおいちゃん!磁石の取って!」と叫んでいたが無視をした。
少し時間が経ったころ、おばあちゃんが「ねえ、あおいちゃん。ちょっとこっちきて~」と言うのでカーテンを開けると手招きして私を呼ぶ。またか...もう磁石取んないんだからね。と心の中で思い、行くと今度はベッドの柵が下りないから下してと言う。
磁石取るくらいのことは出来るが、さすがに柵ともなると力が多少はいる。コノキも具合悪くて入院している。力関係は無理だ。
だからおばあちゃんにも伝えたが、耳が聴こえないからそんなことお構いなしだ。
「あおいちゃん、これをこうして下げてねー」と操作の説明を丁寧にしてくれる。教えてくれても出来ないが、やってるふりして戻ることにした。よく見たらベッドの柵が勝手に下されないようにシーツで括り付けられていた。
「これ何かに引っかかってるから下せないみたい。だから看護師さんに言ってね」と高い位置に掛かっていたナースコールを手元に下して渡した。思えばこれも意図的に看護師さんがやったものかもしれない。
すぐにナースコールを鳴らして看護師さんに来てもらっていた。
そして看護師さんは「柵が壊れてるから後で直すね」と(嘘の)約束をしてその場を去った。
※念のために言っておくが私の名前は「あおい」ではありません
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第2話 上にいる?
ナースコールで看護師さんを呼ぶおばあちゃん。
「はーい!どうしましたー」と来る看護師さんに、「子供があそこに登ってるんだよ!危ないから下さなきゃ!」と言ってる。
ん?何を言ってるんだ?子供?
このおばあちゃんは独り言が多く、結構大きめな独り言をよく言ってる。そしてこの日も朝から子供に優しく言うような口調で話していた。
「もう、〇〇さん子供なんていないよ。いないいない」そう言って看護師さんは部屋を出ようとする。きっと毎日言ってるんだろう。適当に流そうとしていた。そんな看護師さんを止めるように、
「あそこにいるじゃん!あんなところに登っていたら危ないよ」と必死。
は!Σ( ̄□ ̄;)
まさかこの部屋には子供の霊が!?
そう思ったら急に怖くなった。
看護師さんが行ってしまった後もぶつぶつと何か言ってる。
気になってカーテンをそっと開けると、おばあちゃんは壁の上の方を見ながら
「ねー危ないのにねー。ねーーーー」
言ってる。本当に子供が上に?
こえーよ
第3話 おじいちゃんが来ないと泣く
入院して3日目の朝におばあちゃんが泣いていた。そこに看護師さんがたまたま部屋に入ってきた。他の患者の担当になってる看護師だ。自分の患者の用事を済ませると、その看護師はおばあちゃんの話を聴いてあげてた。
おばあちゃんが泣いてる理由を語りだした。
昨日、おじいさんと喧嘩しちゃって、おじいさん「もうほんとお前は!もう来ないぞ!」言って怒って帰っちゃった。もうおじいさん来ないかもしれない。。。
え、おばあちゃん...おじいちゃん来ないかもしれないと思って泣いてるの?
可愛い...
看護師さんもまさかの展開に、一瞬コノキと同じ気持ちだったと思う。
その後すぐに「大丈夫だよ。今日もちゃんと来てくれるよ。ほら、毎日来てくれてるでしょう?」と声をかけた。
でも来てくれないかもしれない...
おばあちゃんはおじいちゃんが大好きなのだ。そんなおじいちゃんと喧嘩しちゃって、もしかしたらもう病院に来てくれないかもしれない...と不安なのだ。
そんな感じでずっと泣いていた。
ご飯のときとちょっとしたお昼寝の時間以外は。
お昼ご飯の時間が終わり 、また泣き出したおばあちゃん。
気になった看護師さんはまたおばあちゃんのところに顔を出す。「大丈夫だよ。旦那さん来てくれるよ」そう言うがおばあちゃんはおじいちゃんのことで頭がいっぱい。
おじいさーん
堪らなくなっておじいさんを呼ぶ。
はいよ
!?
まさかのおじいちゃん登場。
私はカーテン越しで話を聞いていたのでその表情は見れなかったがきっとおばあちゃんはビックリして目をキラキラして声のある方を向いたんじゃないかな。
「なんだよー。いきなり呼ぶからビックリしたよ」と言うおじいちゃんにおばあちゃんは嬉しそうに、「もう来ないって言っていたから来てくれないと思っていた...」とまた泣きながら言った。
良かったね、旦那さん来てくれて...と看護師さんもホッとしたようだった。
その後もおばあちゃんは嬉しそうに話す。
ただその日もまたおじいちゃんを怒らせて「お前は本当にわがままだな!俺はもう帰る!!」と出て行っちゃったけど、きっとこの夫婦の日常なんだろうと思った。
まとめ
今回はおばあちゃんエピソード3本をお送りしました。
毎日毎日、昼間も夜も 喋ってるおばあちゃん。コノキは眠れなくて手術後で疲れた夜も眠れなかったから、次の日の夕方に部屋の移動をお願いした。(手術当日に師長さんから眠れてますか?と心配され部屋の移動もできる旨を言われていました)
だからこの日以降は移動してしまったのでおばあちゃんエピソードはない。
ただ、おじいちゃんに車いすを押されながら嬉しそうに喋るおばあちゃんの声が廊下に響き渡っていたから、
怒っても毎日来てくれて良かったね、おばあちゃんって心の中で思った。
おわり
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